RUMBLE DIALY

- 乱振日記 - 都内在住の社会人が、映画・IT・ビジネス・紅茶・料理・格闘技について書き殴るブログ

『スタミナ苑』の真相

3月2日土曜日。この日は盟友よっしーと友に、東京一の焼き肉と評判の『スタミナ苑』を訪問。行列・接客・肉質などで高い評価を得るも、一概に「良い店」とは断定しづらいのが焼肉店。

スタミナ苑 公式サイト http://www.sutaminaen.com/

今回経験してみての感想は『マニアックな職人のお店』というのがベストだろう。

この記事を読んでもらえれば、行く人の面子や人数、注文のコツ、トータルの満足感などの参考になると思う。

 

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 土曜日の16時に到着。風も強かったせいか列は10人程度。後から合流した人も含めると20人弱。1順目には充分入れた。店内の広さはは30~40席程度だったと思う。

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総合格闘技『DEEP』のフューチャーキングトーナメントで見事優勝した吉田哲之選手。格闘技のために環境を変えてラストチャンスと望んだ今回。学生時代から7年かけて遂にプロ選手へ昇格。おめでとう!!!

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カクテキとオイキムチ。このカクテキが驚き。発酵した野菜の甘味が何とも言えず辛味もじんわり広がる。よっしー気に入りすぎてタレだけご飯にかけてた。(私もやった)

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生野菜

これもなかなかの逸品。レタスとキュウリにカイワレ。味付けは酢と砂糖、ゴマ、たっぷりの海苔。サラダだけでじっかり食べ応えあるからバクバク食べてしまった。これは何としても家で再現したい。

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ハラミ これは後で記述するけどうまい。

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炙りレバー 嫌な香りが一切無い+余計な味付けも一切無い。ミルキーな風味と官能的な舌触り。

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上タン

ぷっくりモチモチしたタンの食感に驚き。そして厚さが絶妙なんだな。これ以上厚くても歯応えが無駄だし、薄くちゃ旨みが足らない。“極厚切り”なんて謳ってる他所のタンはそもそも歯応えが無いから出せるんだな。素材を見極める大事さに気づかされた。

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ミックスホルモン

これも評判だったのでオーダー。丁寧に処理されて一切嫌味のないホルモン。今までとは別物だった。

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これはアキレス腱の酢味噌和え。この味付けも絶妙。酢味噌がしっかり甘くて酸っぱくて。トロトロになったアキレス腱も見事。

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上カルビ 一番油が乗ってたカルビ。やっぱ油の多い肉は一つ欲しい。

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よっしーも喜んでくれた模様。減量で色んなもの我慢してたもんね。

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ヒレ

これが一番旨かった。他所のヒレはこんなにサシ入ってない。ヒレなのになんで??と思いながら口に入れるともうほぐれるほぐれる!脂で柔らかいだけじゃない、ヒレ独特の香りもちゃんと残してる。肉部分ではハラミが一番好きだったけど、値段気にせず言うならヒレがダントツに好きだ。

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テグタンスープ

これが絶品!正体不明の濃厚スープ。肉やら骨のエキスで自然とついたトロミと甘味が味覚を全面包囲!って感じ。店員さん曰く「これだけ食べに来る人もいる」とのこと。いや本当にもっかい食べたい。そして量が多い!この器大き目のラーメンどんぶりくらいある。そんで中には6センチ角のタン元がゴロッゴロ!ご飯にかけて食べると夢中になって止まらんかった。4人で1杯でも良いくらいの量と濃厚さだった。

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杏仁豆腐で締め。 自家製で固めのもっちりした杏仁豆腐。香りは弱いけど、薄まってない感が良い。(ただし必注というほどではないな)

この日はとにかくよっしーの祝賀会としてきたが、焼肉自体も本当に楽しめた。テグタンは本当後ろ髪引かれる旨さだ。。。

さて、この店の評価を「マニアックな職人の店」と称したが、その理由は3つある。

①客目線ではない。=店主が良いと思ったものを出す。

②肉には余計な趣向を凝らさない。

③主役は料理であって、接客や経営は後回し。

①は結構大きな違い。都心で繁盛する店は、顧客のニーズを捉えた品を確保し、均一商品安定供給することを原則としている。ところがこの店は、店主が良いと思った品を、出したいように出す。おそらくこの大原則があるのだろう。形や数を無理に揃えない。それゆえに、客同士で品質に差はあるし、常連と一見で出てくるものも違う。けっして悪気があるわけではないのだろう。ハラミやレバーの質そのものは良いが、タンやヒレの水準と比べるとやや落差があったように感じる。

②これが明確にわかったのがミックスホルモン。「誰もがハマる美味しいホルモン」ではない。「ものすごく丁寧に処理したホルモンそのもの」なのだ。臭みや雑味は本当に無い。ただし、味付けや調理に凝っているわけでもない。だから「そもそもホルモンが好きじゃない人」や、「濃い味付けや食感が好き」な人はさして驚かないだろう。そのぶん、といっては何だが野菜やキムチ・スープなどには驚くほどの趣向と技巧が現れる。この店のサイドメニューはどれも他とは比較にならない出来だった。

③①にも通じるが、経営視点は著しく乏しい。オーダーの順序や追加注文への対応、ごはんものを出すタイミングなど、日本の飲食店ならどの店も考慮している点がいずれも実施されていない。けっして店員数が少ないわけではないのにこの現状ということは、接客以上に料理そのものにこだわっているからだろう。そのへんの事情を念頭におかないと、単に「来るのが遅い!」というクレームだけが脳裏に残ってしまう。

さて、素材と調理そのものに真摯に向き合っている点や、実際味わった感想を包括すればスタミナ苑の評価は極めて高い。しかし、待ち時間や接客の問題などを考えれば気軽に迂闊に訪問しないほうがいいだろう。

「行列で評判の店だから」という気分で行った日には、この素晴らしさは理解できないどころか、不満だけが目に付いてしまう可能性もある。

 

結論、スタミナ苑に行くときは常連さんと一緒がいいってことなんだろう。

ああテグタンもっかいだべたい。。。