恵比寿『俺のフレンチ』
日曜日の夕方、ジムと買い物を済ませたあと、恵比寿にある『俺のフレンチ』に行って来た。おいそれと入れる店ではないのだが、会社の先輩の予約席に空きが出たので穴埋めで参加することに。
夕方4時にも関わらず店の外には50人くらいの行列。立食とメニュー数の制限によって回転率を最大限にした運営モデルが有名だが、果たして味はどんなものか。
イメージしたとおりの混み具合。というかそもそもスペースを狭くとっているため100%人と擦れ合う。お酒のテンションと陽気な店員さんの接客で、フレンチの雰囲気はなく、そこらの居酒屋より賑やか。
運良くこの日はカウンターで椅子もある席に座れた。
お通しにはパン、
カニとホタテのクスクス添え あと生ハムも頼んでたな。
オマール海老
ブイヤベース
フォワグラと牛肉
はっきり言ってどれも美味しい。そこらのバルやビストロより明らかに品質の良い食材。味付けも高級感があり、余計なクセがない。そして一皿の量が多い。一人で一皿はちょっと多いな、と誰もが感じるサイズだった。
一皿どれも600〜1000円台前半。驚きだ。いわゆるコストパフォーマンスは他の追随を許さない、という評判も頷ける。安いだけの店では決してない。
お酒も安い方だと思うが、他店との差はあまり感じず。さすがに種類をそろえなきゃいけないからだろう。
パンナコッタとグレープフルーツのジュレ
バニラたっぷりのアイスとクリームブリュレ
これらも量がたっぷり。カスタードはトロトロ。カラメルはパリパリ。
さて、味やレシピに関してやはり思うところがあった。
確かに高級感を感じる味だし、そういう修行をした人にしか出せない仕上がりだったと思う。しかしこれはやはり「俺のフレンチ」仕様にしたてた巧妙な「作品」だと感じた。
フォワグラ、ステーキ、魚介、味付けや火加減なんかは素晴らしい。しかし何処にもないユニークかつ特別な料理、という訳では決してない。
むしろ真逆。“フランス料理っぽい”ものを、万人受けするようなレシピに仕上げて、そして高品質に作っている。それはそれで新しいアプローチだが、どうしてか感動はない。
それから、全体的に「甘い」と「柔らかい」が軸になっている。
これもポイントだろうな。辛さや酸味、歯ごたえなんかを均一に手軽に出すのは難しい。ブリュレやマッシュポテトは諦めたような柔らかさだった。
機会があればまた行ってみたいとも思うが、感動がない店には自分から誰かを誘うことはないかな。